今回は、初対面のご年配の方から相談を受けた話です。
先日、当院に初めての患者さん(以下Aさん)が予約せずに突然来院されました。
以下、Aさんの発言は「 」、私の発言は『 』で囲っています。
「ちょっと相談したいことがあります」
とおっしゃるので、
『今施術中で、終わるまで5分~10分かかりますので、それまでお待ちいただますか?』
とAさんに声をかけて、当院の入口の段差を上がるのを介助しながら待合いイスに座っていただきました。
Aさんの年齢はおそらく80代~90代、右半身麻痺で左手に杖を持ち、右下腿には装具を付けた状態でした。
あとから確認した情報ですが、Aさんは当院と同じ地域に住んでいる方で、介護度が要介護2と認定されていて、歩行が大変で当院までタクシーで来院したそうです。
前の患者さんの施術が終わったあと、Aさんにご挨拶をしてから話を伺いました。
Aさんがポケットからマッサージの同意書の書類を出したので、
(訪問施術の相談かな)と心の中で思っていたら、
「この書類を書いてほしいのです」
と私に頼んできました。
前提として、マッサージの同意書はかかりつけの医師に書いてもらうものであり、その書類があれば健康保険でマッサージができるのです。
当院ホームページ:健康保険の取り扱いについて
https://nishigahara4-harikyu.com/hoken.html
「以前は〇〇病院の先生がこの書類を書いてくれたのですが、もう書けないと言われてしまいました」
なるほど、医師がマッサージの同意書の書類を書いてくれなくなって困っていると。
マッサージの同意書の書類が入っていた封筒には、とある事業所の名前が書かれていたので、そこで訪問マッサージを受けていたようです。
『マッサージの同意書はお医者さんでないと記入できないのです。当院は、はり・きゅう・マッサージの治療院なので、残念ながら記入することはできません。お医者さんにマッサージの同意書を書いてもらえれば、私が訪問して施術を行うことはできます』
と回答しました。
以下、やり取りが続きます。
「どこで書いてもらえますか?」
『かかりつけの先生がいらっしゃればお願いして書いていただけるかもしれません。
〇〇病院以外に近所にかかりつけの先生はいらっしゃいますか?』
〇〇病院は少し離れた地区の大きい病院なので、近所で普段かかっているクリニックがあればと思って聞きました。
「△△病院にかかっています」
うーん、△△病院は当院の地区にある総合病院ですが、今まで私が関わった複数のケアマネさん情報で、同意書を書いていただけない病院なのです。
『△△病院は同意書を書いていただけないところです。
ほかにかかっているクリニックはありませんか?』
「ほかにはありません」
『ちなみに、今まで同意書を書いてくださっていた〇〇病院の先生は、なぜ書いてくれなくなったのですか?』
「理由は分かりませんが、もう書けないと言われました」
これはどうしようもありません。
マッサージの同意書はかかりつけの医師に書いてもらうのが原則のため、現時点では有効な手立てはありません。
参考サイト:富士在宅診療所 医療保険適用の訪問マッサージ、医師の同意書が必要な理由と導入の判断基準
https://fujicl.or.jp/medical-insurance-home-massage-doctor-consent-criteria/
『申し訳ありませんが、かかりつけの先生がマッサージの同意書を書いてくれないのなら難しいと思います。どうしても書いてもらいたいのなら、ケアマネさんに相談してみるとよいかもしれません』
ケアマネさんや家族と相談しての判断ですが、通院ではなく訪問診療を導入すれば、訪問診療の先生がマッサージの同意書を書いてくれるかもしれないので、ケアマネさんに相談することをすすめました。
今まで訪問マッサージの進め方や必要な書類、施術に関する相談を受けたことは何度もありますが、「同意書を書いてほしい」と頼まれたのは初めての経験でした。
Aさんが当院にいらした理由はよく分かりませんでしたし、あえて確認しませんでした。
医師でないとマッサージの同意書を記入できないことを知らなかったのかもしれませんし、当院を病院と勘違いしたのかもしれません。
すでに訪問マッサージを受けているようなので、本来であればまずはその事業所に相談すべき内容だと思いました。
今回、タクシーで来院されたにも関わず、残念ながらAさんは無駄足になってしまいました。
もし医療・介護で困ったことがあった場合、まずはケアマネさんに相談することをおすすめします。




西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。