前回の「①無資格者の施術について」の続きで、
ブログ:無資格者の施術について
https://nishigahara4-harikyu.com/blog/treatment-unlicensed-persons
今回は「②あん摩マッサージ指圧師の資格について」についてです。
※ ここでいう無資格とはあん摩マッサージ指圧の資格がないことを指しています。
マッサージを業とできる国家資格は「あん摩マッサージ指圧師」、「医師」のみです。
「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取得するためには、文部科学大臣または厚生労働大臣の指定する学校・養成施設で三年以上勉強して国家試験に合格する必要があります。
「あん摩マッサージ指圧師」の詳細は以下のサイトに詳しく記載されているのでここでは省略します。
参考サイト:東洋鍼灸専門学校
あん摩マッサージ指圧師になるには?
https://www.toyoshinkyu.ac.jp/info/9828/
ここでは、実際に「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取って仕事をしてきた中で、無資格者に比べて有利な点は何かを考えてみます。
・医師の同意があれば医療保険が使える
脳梗塞による麻痺や加齢による筋肉の萎縮による痛みなどのケースにおいて、医師の同意があれば医療保険を使って施術を行うことができます。
上記のような疾患は、症状が改善、緩和するのにある程度の回数が必要ですので、医療保険が使えた方が患者さんも利用しやすいと思います。
・施術の領収証が医療費控除の対象となる
「あん摩マッサージ指圧師」による施術は、病院や歯科、薬局にかかった場合と同じように医療費控除の対象となります。
医療費が多くかかっている場合には、医療費控除を行うことで一部の所得控除を受けることができます。
参考サイト:国税庁
医療費控除の対象となる医療費
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
・明らかにあん摩マッサージ指圧の対象でない病気や症状の切り分けがある程度できる
例えばベッドから落ちて腰を痛めた高齢の患者さんが来院した場合、あん摩マッサージ指圧の施術を行うか。
または、強い頭痛・吐き気がある患者さんが来院した場合、吐き気や嘔吐があるか確認したり、発熱の有無を確認したりできるか。
前者は圧迫骨折の疑いが濃厚、後者は髄膜炎の疑いが濃厚で、医療機関に紹介すべき症状です。
もちろん筋肉の緊張による腰痛だと思ったら実は癌がありました、というような見つけるのが難しいケースもたくさんありますが、これは医療機関に紹介すべきという病名や症状は三年間の中で勉強しますので、無資格者よりも施術すべきかの切り分けができます。
このような視点は患者さんにとって何が一番よいかを考えるうで、とても大切なことだと思います。
・店の名前や看板、パンプレットにあん摩、マッサージ、指圧という言葉を使用できる
開業する際、あん摩マッサージ指圧師の国家資格をもっていると、お店の名前や看板に「あん摩」、「マッサージ」、「指圧」という名称を使うことができます。
そのため、患者さんが見た時に、何をするところなのかが明確で分かりやすいと思います。
国家資格がないところだと、「リラクゼーション」、「もみほぐし」、「整体」といった資格ではない名称で、何をするのか分かりにくくなります。
・資格者限定の勉強会、講習会に参加することができる
どの仕事もそうだと思いますが、国家資格を取って終わりではなくそこからがスタートです。
国家資格を取ったあと、色々な勉強会に参加したり、同業者と施術し合ったりしながら、知識、技術を深めていきます。
あん摩マッサージ指圧師の国家資格をもっていると、資格者限定の勉強会、講習会に参加することができるのは大きなメリットです。
・病院やクリニックなどの医療施設で働くことができる
病院に勤務している医療従事者で、国家資格を保有していない人はいません。
医師はもちろん、看護師や理学療法士、作業療法士、放射線技師、臨床検査技師など、多くの医療系国家資格があります。
国家資格を持っていることは、ある程度の知識、技術があることの証明になり、あん摩マッサージ指圧師の資格があるから病院やクリニックに勤務することができます。
・介護施設で機能訓練指導員として働くことができる
機能訓練指導員は日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を担う職種で、通所介護(デイサービス)において、専従で1人以上の配置が必要です。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師のうち、いずれかの有資格者であることが求められているため、あん摩マッサージ指圧師の資格を保有していれば、介護施設で機能訓練指導員として働くことができます。
引用サイト:Rehab Cloud
デイサービス(通所介護)の人員基準とは|配置要件や最低人数などを解説
https://rehab.cloud/mag/3494/
以上、2回に分けて「無資格者の施術」と「あん摩マッサージ指圧師の資格」について書きました。
本ブログを読んで、
・施術者なら、無資格で施術するのではなく「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取得しよう
・施術を受ける患者さんなら、「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持っている施術者の方が安心である
と考えていただくきっかけになれば嬉しいです。