野口 晴胤 著「平均化訓練」からのご紹介です。
本書の中で描かれている「型稽古の意味」という話が印象に残りました。
武術や茶道、華道などを覚える場合、まずは形を学ぶということで型稽古から始まります。
しかしながら、実際の武術では相手がどう動くのか分からないため、型通りに稽古しても意味がないのでは?と考えてしまいます。
本書では、型稽古の意味は、無意識の運動の癖に気付き、それをそぎ落とすための訓練であると述べています。
つまり、実戦においては、動きに隙がなく全身の筋肉がひとまとまりに連動して動くことが必要で、そのための体を作りあげることが型稽古の目的ということです。
これは、武術だけでなく、野球やテニスの素振り、ボクサーのシャドーボクシング、ピアノの練習など、様々な分野に言えることだと思います。
鍼灸マッサージの手技も同じで、いかに全身を連動させて無意識に癖をなくして動かすか。
大雑把な動きではなく、小さな動きをコツコツと繰り返す中で学んできました。
ただ、これは奥が深く、そう簡単に身に付くものではないので、やり続ける必要があると思います。
本書を読んで、改めて「型稽古の意味」が分かりました。
平均化訓練