日本講演新聞(宮崎中央新聞社)の記事からのご紹介です。
宮崎中央新聞社のサイト
https://miya-chu.jp/
本新聞に紹介されていた、水谷編集長の「間違いない。仕事は感性が9割だ」の記事に出てくる「トーコーキッチン」の話が印象に残りましたので紹介いたします。
「トーコーキッチン」は不動産屋の東郊住宅社が運営する食堂です。
東郊住宅社はJR横浜線淵野辺駅前の商店街にあり、賃貸物件1800室を管理しています。
一般的に不動産屋がお客と接触するのは、契約する時、契約を解除する時、部屋のトラブルが発生した時、くらいです。
ところが、東郊住宅社と入居者は、上記以外でも繋がりを持っているそうです。
それが「トーコーキッチン」という食堂で、朝の日替わり定食が100円、昼と夜は3種類のメニューで700円、キッズプレートは300円という格安価格で食事を提供しています。
どういうきっかけで食堂を始めたのか。
地方から出てくる学生は親と一緒に部屋を探すことが多いですが、初めての一人暮らしにおいて、親の心配は「食生活は大丈夫か?」ということでした。
そこで、学生たちが気軽に利用できて、手作りで栄養バランスも考えられた食堂をつくろうと考えたそうです。
「トーコーキッチン」は鍵がかかっていて、一般の人は入れず、入居者だけが東郊住宅社が発行するカードキーで入店できる仕組みとなっています。
ちなみに、入居者がいれば友人や家族が同伴でも大丈夫だそうです。
サービスを始めてみると、学生だけではなく、高齢の単身者や子育て中のシングルの方に対しても需要があることが分かり、皆さん「トーコーキッチン」のリピーターになっています。
そんな「トーコーキッチン」が掲げる理想のあいさつが「髪、切った?」です。
髪を切ったことに気付けるくらいの頻度と、それを言っても相手が嫌な気持ちにならない心の距離感を大切にしていて、そのための工夫もしています。
・あえて券売機はおかず、来店客が注文したいメニューを紙に書いて渡す
・料理が出来上がったら、自分の足で取りに来てもらう
こうすることで、会話をせずにはいられない状態をつくり、アイコンタクトも自然と生まれるはず、という目論見だそうです。
相手を思いやれる感性が相手の心を開いて幸せな気持ちにする、という感性の大切さを実感する話でした。
引用サイト:
Hello NEWS 賃貸経営術 鍵のかかった食堂現る!?「店子食堂」、本日も営業中!
https://hellonews.jp/4233/
不動産業界ができる差別化戦略として、とてもおもしろい戦略だと思いました。
「トーコーキッチン」を始めてから、成約率、入居率が上昇したり、家賃交渉がなくなったりと、よい影響が出ているそうです。
食堂だけを見れば赤字のようですが、広告宣伝の効果や入居者の生の声を聴けるなど、赤字を上回るメリットがあります。
ほかにも、地元で採れる食材を近隣の商店街から仕入れたり、相模原産のお米を使ったり、地元の農家とつながりを持ったりと、地域経済にも貢献しているのが素晴らしいと思いました。
私も鍼灸マッサージ師として、患者さんとの距離感を大切にしています。
「髪、切りました?」と言えるくらい患者さんの変化に気付きつつ、それが自然と言えるような関係性だと、信頼感や安心感が生まれて施術効果にも影響すると考えています。
いかに相手を思いやって心を開き、それをビジネスにも繋げていくか、勉強になる話でした。

トーコーキッチンへようこそ!






西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。