日本講演新聞(宮崎中央新聞社)の記事からのご紹介です。
宮崎中央新聞社のサイト
https://miya-chu.jp/
本新聞に紹介されていた、株式会社日立製作所フェロー、株式会社ハビネスプラネットの代表取締役CEO 矢野和男さんの「幸せの研究によって分かったこと」の話が印象に残りました。
矢野さんは幸せに関する研究をしているそうで、この記事の中で元アメリカ経営学会会長のフレッド・ルーサンス博士が発表した、私たちがスキルとして身に付けたり高めていける4つの幸せ力が紹介されていました。
①ホープ(希望) : 道は見つかると信じる力
②エフィカシー(有効性): 踏み出す力
③レジリエンス(回復力): 立ち向かう力
④オプティミズム(楽観): 楽しむ力
これらはそれぞれの英単語の頭文字をとって「HERO(ヒーロー)」と呼ばれているそうです。
この4つの「HERO」の力が高い人ほど幸せ力が高くて、この力は訓練で高めることができるとルーサンス博士はおっしゃっています。
また、自分の選択と捉え方次第で、生体反応が変わるという実験の話が紹介されていました。
ある被験者たちをAとBの二つのグループにランダムに分けます。
グループAには「ストレスというのはしんどくて体にも悪い。寿命にも悪影響がある」という動画を見せます。
一方、グループBには「しんどい状況を乗り越えることで我々の能力は高まっていく。ストレスは我々が生き延びていく能力の発達につながる恵みである」という動画を見せます。
そして、両者に同じストレスフルな体験をさせると以下の結果になったそうです。
グループAの人たちはストレスホルモンのコルチゾールが分泌され、心拍数が増加し、血管が収縮して血流が悪くなりました。
これは人間が不安や恐れを感じた時の生体反応です。
一方、グループBの人たちは、血管が拡張し血流が良くなりました。
これは気合とやる気がみなぎった時の生体反応です。
異なる種類の動画を見せただけの違いで、被験者たちが目の前の出来事をどう捉えるかが変わり、その捉え方によって感情や血管の動き、分泌されるホルモンが変わったという実験結果でした。
何か困難なことがあった時、「しんどいな、つらいな」と捉えるか、「よし、やってみよう、成長するチャンスだ」と捉えるか。
状況によっていつも前向きに考えられるわけではないと思いますが、「HERO」の考え方を意識することで、少しでも幸せ力を高めていけたらいいなと思いました。