未来の医療で働くあなたへ (河出書房新社)
奥真也
コロナウイルス感染症拡大の影響により、オンライン診療の範囲が拡大する中、未来の医療がどうなっていくのかを描いた良書です。
本書では、未来の医療の様子を予測しつつ、それでも医師という職業がなくなるわけではなく、いかに患者さんに寄り添う医療が大事かが記されていました。
これからは病気を治すことに加え、病気を防ぐための医学・医療が重要になってくるという話は共感できました。
今後はコンピューターが中心になって診断し薬が処方される診察風景が増えてくるとは思いますが、それでも患者さんが病院に行って、医師が目の前の患者さんを直接診るという今までの診療スタイルがなくなることはないと思います。
継続診療で薬を処方してもらうだけのケースや、体調が悪くて動くのも大変な場合にはオンライン診療はすごく便利で使い勝手もよいと思うので、状況によって使い分けができるとよさそうです。
とはいえ、直接会って体に触れてもらい、声をかけてもらうことで安心感や期待感が高まり、病気が快方に向かう患者さんは少なくないと思います。
AIの医師による自動診察が増えれば、手の空いた医師は動くのが大変な患者さんの往診をするというやり方も考えられます。
他にも、遺伝子解析や手術補助ロボット、血管を浮き立たせる特殊ライト、ドラッグデリバリーシステムなど、これからも医学はどんどん発展していきます。
大事なのは、たんに効率化や機械化を目指すのではなく、患者さんのための医療を行うということだと思います。
医療に興味がある方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
未来の医療で働くあなたへ (14歳の世渡り術)