森の診療所の終の医療

森の診療所の終の医療(講談社)
増田進

医療について、非常に多くのことを考えさせられる一冊です。

厚労省や日本医師会と異なる意見だとしても「自分たちの村にとって本当に大事なことは何か?」を常に考えながら医療を実践してきた著者の話だけに説得力がありました。

・血圧測定でも「規則を守る」のが目的ではなく、「村の人の健康を守る」ことが目的ということをしっかり理解しており、規則に関係なく看護士に血圧を測らせるようにしていた

・人間ドックの膨大なチェック票をただやるのではなく、検査項目は最低限とし医者だけでなく、看護士、保健婦、検査技師などが村の人と顔を合わせて関わる

といった話は、目的を理解して実践したよい例だと思います。

また、「今の医者は裁判官みたい」という言葉も言いえて妙だと思いました。

いろんなデータを集めてきて、判決を下すだけ。

判決を下した後はあまり責任をもたない。

今の医療は画像や血液のデータを調べて管理して処方するデータ管理医療ですが、そうではなく、患者さんを支えてあげる医療が必要だという考え方は大いに共感できました。

地域医療の定義についても、たんに「地域社会に医学を適用する」というのではなく、著者が提唱する「地域社会の人が健康で長生きするためのあらゆる活動」と考え、国に依存するのではなく、各市町村が独自の取り組みをしていくことが大事なのだと思いました。

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