気の発見(徳間文庫カレッジ)
五木寛之・望月勇 著
愛や憎しみ同様、「気」は目にみえるものではなく、感じる世界のものであり、それをいかに感じるか、思想や呼吸、治療とどのように関係してくるのかを掘り下げていく問答集。
「気」は科学的に証明されていませんが、それが実験によって確認されるような存在であるならばそれほど興味を覚えなかったという五木寛之氏の考え方は共感できました。
豊富な知識と教養をもつ五木寛之氏と世界的な気功治療家である望月勇氏。そんな二人が「気」というテーマで語る自由な対話は大変興味深い話が多く、惹きつけられました。
私は鍼灸あん摩マッサージ指圧師なので、気や経絡についても勉強しているのですが、気とは宇宙の無限のエネルギーで、臓器と臓器、肉体と心をつなぐ情報系のエネルギーのようなものという望月勇氏の説明は分かりやすかったです。
他にも、気功治療の経験談や、東洋と西洋の文化の違い、生命力やお経の話など、興味深いやりとりはいくつもありましたが、個人的には以下の内容が印象に残りました。
・祈りやイメージをする場合、強く、リアルに、細部に至るまで丁寧に描写する
・ヨガをする際、4つのポイントを踏まえて行うかどうかで効果が全くちがう
①動作をゆっくりやる
②動作と呼吸を合わせる
③ポーズが決まったら痛いところに意識を集中させる
④ポーズが決まって体を戻すときに、体で起きている変化をじっくり味わう
気の発見 (幻冬舎文庫)