うつ病九段 (文藝春秋)
先崎学
プロ棋士 先崎学九段がうつ病で入院することになり、どん底から立ち直っていくまでの過程を読みやすくコミックで描いた一冊です。
先崎九段は、私が好きな漫画「三月のライオン」で将棋コラムを書かれているので、名前だけは知っていました。
藤井聡太棋士がデビューから29連勝で世間を騒がせている一方で、先崎九段がうつ病で苦しみもがいていたことは知りませんでした。
精神科医の兄のすすめで入院することになっても、将棋の対局のことが頭から離れない。
それでも、将棋を指すことはとてもできず、無力感に苛まれていく様子が赤裸々に描かれていました。
うつ病回復期の患者がリハビリを兼ねて、体験記を書くというのは珍しくて、当事者の体験だけに具体的な内容でした。
「みんな待っています」というシンプルな一言が最も嬉しかったというのも当事者ならではの意見で勉強になりました。
その後、うつ病の状態がどうなったのか、どうやって折り合いをつけているのか、続きがあればまた読んでみたいです。
うつ病九段 (文春e-book)