典獄と934のメロス

典獄と934のメロス(講談社)
坂本敏夫

関東大震災の中、横浜刑務所では責任者である典獄の権限により24時間囚人解放がされていた。
その裏にはどんな物語が潜んでいたのかを描いた実話です。

脱獄を心配するよりも、まずは信じてみようと思って解放の決断をした椎名典獄の懐の深さと囚人への想い、その椎名典獄の想いに応えるよう約束を守った囚人たち。そんな両者の想いが伝わってくる内容でした。

 

24時間以内に帰ることよりも人助けを優先する者、

逃走罪で処罰されることを厭わない者、そういった者の身代わりとなった出頭する者、

怪我をした看守に代わって指揮をとる者、

危険な港湾荷役の奉仕作業を率先した行う者など、

困ったときはお互い様という精神の元、皆が誰かのために何かをしようという思いに胸が熱くなりました。

 

囚人の処遇は決してきれいごとだけでは決められないと思いますが、受刑者を更生される最良の処遇は社会への貢献という考え方も本書を読むとなるほどと思いました。

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