19番目のカルテ 徳重晃の問診【4】(ゼノンコミックス)
富士屋カツヒト 、 川下剛史
なんでも治せるお医者さんを目指して奮闘する医師の物語の第四巻です。
第四巻では、経営が苦しい病院にとって、他科と比べて売上が低い総合診療科の存在意義が問われる内容でした。
病院の幹部定例会で、外科部長から総合診療科でやっていることは他科でもできることではないかと問い詰められます。
その際、別の外科の医師が総合診療科を手助けする発言をします。
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同じ治療はできますが、私が治せるのは「疾患」だけです。
総合診療科の徳重先生はその人の社会生活面や周囲との関わりも含め、疾患を発症し病院に来ることになった根本的な原因にアプローチしています。
私だけで診察していたなら、その原因を知り、ましてやそれを改善することなどは考えなかった。
私は最大多数に効率の良い治療を提供することを最重視しており、今もそれは正しいと思います。
しかし、共に仕事をして患者の視点に立ち・考え、そして我々ではできない治療を行うことができる科なのだと分かった。
退院後も生活を続けていく患者たちには、徳重先生のような医師も必要であり、私はこれも「最善」の形と考えます。
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同僚の医師からも認められ、総合診療科の重要性や価値が少しずつ認められてきたのは、患者さんにとっても喜ばしいことだと思います。
また、
「その人の社会生活面や周囲との関わりも含め、疾患を発症し病院に来ることになった根本的な原因にアプローチ」
というのは、とても大事なことだと思います。
例えば
・頭が痛いから薬を飲む
・腰が痛いから腰をマッサージする
そういった直接的な対応も必要だと思います。
しかし、
頭が痛くなるのは
・メガネの度数は合っているか
・パソコンに向き合っている時間が長すぎないか
・デスクワークで力が入りすぎているのではないか
・家族や仕事で人間関係のストレスはないか
腰が痛いのは
・仕事で負担がかかり過ぎていないか
・どんな風に体を使っているのか
・楽な時とそうでない時で何が違うのか
と様々な原因を検討しながら、その症状を少しでも改善できるよう、患者さん自身に気付いてもらうこともとても大切です。
私も、患者さんの生活や周囲との関わりも意識しながら、患者さんのつらさに寄り添うことを考えていきたいと思いました。

19番目のカルテ 徳重晃の問診 4巻 (ゼノンコミックス)